2011年8月27日の午後に開催された第1回医療版失敗学セミナー「カラクリ図を用いた活きたマニュアルの作り方研修会」は、6月に開催された「入門コース」に続き本年2本目のセミナーとなりました。
講師には、福島原子力発電所事故調査委員会委員長の畑村洋太郎 東京大学名誉教授が提唱する「失敗学」の門下生である濱口哲也・東京大学大学院特任教授が医療界向けにアレンジし、「医療版失敗学」として、ヒヤリハット、インシデント・アクシデントレポートを有効活用し、未然防止につなげ、リスクと背中合わせの現場を変革し、明るく元気な職場にしたいと迫力のある講義が行われました。
施設内、特に看護部や病棟には数多くのマニュアルが存在しています。しかし、新入職員の研修教材になっておらず、古くて現状とあっていない、「ブラックボックス」になっていて、単なる作業手順書に過ぎない状況になっています。このような状況を少しでも”活きて使用されるマニュアル“に変換していただきたいと、3時間熱心に講義されました。
参加者は、都内はもとより新潟県など1都6県から、医師、看護師、リスクマネジャー、医療安全管理者など23名のみなさまが参加されました。6月11日に開催された「入門コース」に出席された方も多く参加され、3時間の講義が短いと思えるほど熱心に聴講されました。
次回セミナーは、「入門コース」を9月17日に計画しています。
講義内容は、「医療版失敗学」の概論と基本的考え方を紹介し、なぜ、医療界に「失敗学」が必要なのか? なぜ、ヒヤリハット、インシデント・アクシデントレポートが有効活用されていないのか? このような状態を打破できる研修内容になっていますので、是非、多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
医療現場だけでなく、現場でのマニュアル化が「現場力低下」や「考える人の育成」に大きな影響を及ぼしていることを改めて理解できました。
マニュアルを作れば安心していた我が身を振り返り、早急にマニュアルの見直しをしようと痛感しました。
未然防止が達成できるマニュアルを整備し、安全で安心な職場環境を実現しましょう。
次回のセミナーへのご参加を期待しています。